日本酒造組合中央会が主催する「第45回全国きき酒選手権大会」を前に、メディア向けのきき酒体験会が開催されました。
今回体験したのは、7種類の日本酒を2回に分けてテイスティングし、同じお酒同士を見つけ出す「マッチング方式」のきき酒競技です。
ワインのブラインドテイスティングとは異なり、銘柄や産地を当てるのではなく、香りや味わいの特徴を記憶し、同じお酒を正確に識別する能力が試されます。
実際に競技に挑戦し、そのルールや採点方法を学び、きき酒ならではの難しさと面白さを体感しました。
Ryokoこの競技、本当に面白いです! 毎年開催される「全国きき酒選手権大会」には、都道府県代表による個人戦・団体戦のほか、大学対抗の部や社会人日本酒愛好会対抗の部もあります。日本酒好きの方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?
全国のきき酒名人が集う「全国きき酒選手権大会」


日本酒造組合中央会が主催する「全国きき酒選手権大会」は、全国各地の予選を勝ち抜いた代表選手が、きき酒の技術と日本酒に関する知識を競う大会です。
第45回大会は、2026年11月14日に東京・TOC有明コンベンションホールで開催されます。
大会には、各都道府県の代表者が出場する部門に加え、「大学対抗」、企業内の日本酒部や愛好会などが参加する「社会人対抗」も設けられています。
競技は「筆記試験」と「マッチング法によるきき酒」の2種類で構成されています。
筆記試験では、日本酒造組合中央会が監修した、日本酒通でも即答が難しい問題が出題されます。「マッチング法」では、7種類の日本酒を2回に分けて試飲し、香りや味わいから、好みの順位をつけます。1回目と2回目でつけた順位の整合性が取れているかを競います。
7種類の日本酒を2回テイスティング!「マッチング方式」とは?


今回の体験会では、全国大会と同じ形式のきき酒競技に挑戦しました。
使用するのは、香りや味わいの異なる7種類の日本酒。それぞれのお酒が2つずつ用意され、前半と後半に分けて提供されます。
競技の流れは次のとおりです。
- 前半7分間:A〜Gの7種類をテイスティングし、好みの順に1〜7位の順位を付ける。
- 休憩3分間:前半のお酒を再び確認することはできない。
- 後半7分間:H〜Nの7種類をテイスティングし、同様に順位を付ける。
前半と後半では、同じ7種類の日本酒が異なる順番で並んでいます。
つまり、香りや味わいを比較しながら、それぞれの日本酒に付けた順位を2回のテイスティングでどれだけ一致させられるかがポイントです。
トランプの「神経衰弱」にも似ていますが、頼りになるのは自分自身の嗅覚と味覚、そして記憶力です。
0点が最高得点!独特の採点方法


この競技の特徴の一つが、点数の計算方法です。
採点には、前半と後半で同じ日本酒に付けた順位の差を用います。
例えば、ある日本酒を前半では1位、後半では3位と評価した場合、順位の差は2。その差を2乗した「4点」が加算されます。
一方、前半と後半で同じ順位を付けていれば0点です。
7種類すべてについて順位の差の2乗を合計し、最終的な得点を算出します。
この競技では、0点が最高得点。点数が低いほど優秀な成績となります。
順位が大きく離れるほど失点も大きくなるため、特徴が明確で自信を持って識別できる日本酒を見極めることが重要です。
香り、甘味、酸味、旨味……7種類の日本酒の違いを見極める


体験会では、香りや味わいの異なる7種類の日本酒が用意されました。華やかな香りが特徴の大吟醸タイプから、酸味や旨味がしっかりと感じられる純米酒タイプ、穏やかでバランスの取れたタイプなど、それぞれに異なる個性がありました。
競技では、こうした特徴を短時間で捉え、休憩を挟んだ後にも再現性のある評価ができるかが試されます。
きき酒のコツは「香り」と「比較」


体験会では、きき酒の精度を高めるためのアドバイスも紹介されました。
まず重要なのは、香りを丁寧に確認すること。
短時間で何度も口に含むと、アルコールによって味覚が疲労し、違いを捉えにくくなる可能性があります。
そのため、最初に香りの特徴を確認し、続いて甘味や酸味、旨味などの味わいを比較する方法が推奨されました。
また、7種類すべてを一度に覚えようとするのではなく、華やかな香りや強い酸味など、特徴が際立つ日本酒を基準にすることも有効。
個々のお酒の特徴を捉えるだけでなく、7種類の中での相対的な位置づけを把握することが、正確な識別につながるそうです。
ワインのブラインドテイスティングとは異なる難しさ
筆者はこれまでワインのブラインドテイスティングに取り組んできましたが、今回のマッチング方式は初めての経験でした。
ワインのブラインドテイスティングでは、外観や香り、味わいからブドウ品種、産地、ヴィンテージなどを推測します。
一方、今回のきき酒競技では、産地や銘柄を推測する必要はありません。
求められるのは、複数の日本酒の香味を比較し、その違いを記憶して、もう一度正確に識別すること。
特に難しく感じたのは、特徴の似た日本酒を区別することでした。
香りが華やかなタイプや甘味があるタイプは比較的印象に残りやすい一方、穏やかでバランスの取れたタイプは、記憶の中で混同しやすくなります。
さらに、前半と後半では提供順が変わるため、前後のお酒との比較によって印象が変化することもあります。
短期記憶だけでなく、感覚をぶらさずに評価する再現性も重要だと感じました。
初挑戦の結果は34点!きき酒の難しさを実感


今回の体験会では、香りや味わいの違いを捉えながら、途中までは自信を持って回答していたのですが、特徴の似た日本酒もいくつかあり、判断に迷う場面も。競技時間はあっという間に過ぎました。
結果は34点。
7種類のうち、前半と後半で順位がぴったり一致したのは、わずか2種類でした。
ちなみに、今回の参加者の最高成績は8点。
実際に挑戦してみると、7種類の日本酒を短時間で比較し、その特徴を記憶して再現することが、想像以上に難しいと実感しました。
ワインと日本酒では、テイスティングのアプローチや競技方法は異なりますが、香りや味わいを丁寧に観察し、違いを言語化することの重要性は共通しています。
今回の体験を通じて、改めてテイスティングの奥深さを感じる機会となりました。
全国から集まるきき酒の名手たちは、どのような技術で7種類の日本酒を見極めるのでしょうか。
11月14日に開催される「第45回全国きき酒選手権大会」にも注目です。
第45回全国きき酒選手権大会
- 開催日:2026年11月14日
- 会場:TOC有明コンベンションホール(東京都)
- 主催:日本酒造組合中央会
- 競技内容:きき酒実技試験、筆記試験



日本酒が好きでも、マッチング方式のきき酒は未経験という方も多いのではないでしょうか。私自身、今回の体験を通じて、その難しさと面白さに魅了されました!「全国きき酒選手権大会」は 代表者がいない県もあるそうです。県代表になれば自慢できますよね!来年は、ぜひお住まいの地域の予選に挑戦してみてはいかがでしょうか?
日本酒造組合中央会
全国の日本酒・本格焼酎などの酒造メーカーが加盟する業界団体。日本酒や本格焼酎の振興、国内外への情報発信、イベントの開催などを通じて、日本の酒文化の普及と発展に取り組んでいます。
日本の酒情報館
日本酒造組合中央会が運営する、日本酒や本格焼酎・泡盛などの魅力を発信する施設です。試飲や購入も可能です。















