はじめに──のどぐろ「美宝」とは?

「美宝」は、新潟県産のどくろの中でも、特に美しさと品質に優れた個体にのみ与えられる称号です。
その名のとおり、新潟の“美しい宝”として、厳格な高規格のもとに選ばれています。
■ 美宝の条件
• 重量400g以上の大型
• うろこの剥がれがない
• 水揚げ後も色、身持ちがよい
これらの特徴を満たすのどぐろは、選ばれた地域、限られた漁師のみが漁獲することができ、
徹底した品質管理体制のもと、1尾1尾が厳選されます。
■ 圧倒的な希少性
美宝の名にふさわしい個体はごくわずか。
そのため、美宝として漁獲・流通されるのどぐろの量は非常に限られており、
その希少価値は高まっています。
※美宝を漁獲できるのは、選ばれた3港7漁船の熟練漁師のみ(令和6年6月現在)
■ うろこ一つ剥がさない、徹底した品質管理
「美宝」の名を冠するのどぐろは、うろこ一つ剥がれないほど、徹底した品質管理のもとで扱われます。
選ばれた漁師たちは、直接手で触れず、漁獲後すぐに氷冷します。
この氷冷も、魚体に氷が直接触れないように工夫を施すなど、細部にまでこだわり抜かれています。
まさにその姿は、新潟の美しい宝と呼ぶにふさわしく、多くの料理人たちからも最高品質ののどぐろとして高く評価されています。

会場紹介──Cronyが選ばれた理由

東京・東麻布にある〈Crony〉は、ミシュランガイド東京2025で二つ星およびグリーンスターを獲得し、サステナビリティと美食を両立するレストランとして国内外から高い評価を受けています。
さらに、2025年「アジアのベストレストラン50」では第30位にランクイン。ソムリエの小澤一貴氏は、2025年「アジアのベストソムリエ賞」にも輝いています。

そして今回、のどぐろ「美宝」のプロモーションの舞台として〈Crony〉が選ばれた背景には、「魚料理といえば春田理宏シェフ」が真っ先に浮かんだと、新潟県推進ブランド品目アンバサダーの中村孝則氏がおっしゃっていました。

美食体験レポート

コースが始まる前、キッチンに案内され、春田シェフが目の前でのどぐろ「美宝」を調理する様子を見学させていただきました。

皮目はサラマンダーと呼ばれる上火式のオーブンで香ばしく焼かれ、焼き上がるにつれて皮がふわりと立ち上がります。これは、鮮度の高い魚にしか現れない現象なのだそう。

その後、じっくりと丁寧に火が入れられ、仕上がったばかりの焼きたてを、その場でひと口。
しっとりとやわらかな身、パリッとした皮目の食感、そして広がる香ばしさと旨み——格別のひと皿でした。

お席に戻ると、いよいよコースがスタート。
乾杯はシャンパーニュで華やかに。


続くペアリングには日本酒が登場し、温度帯やグラス選びにも細やかなこだわりが感じられました。









新潟のどぐろ「美宝」は、皮目はパリッと香ばしく、身はしっとりとやわらか。
山椒の香りがアクセントになり、上品な旨みを引き立てていました。

のどぐろ「美宝」から贅沢な出汁がとれたため、メニューにはなかったシェフの即興の一皿が登場。
やさしい味わいの「手まりうどん」は、ほっとするような一皿でした。


乾杯のシャンパーニュに始まり、コースに合わせて選ばれたのは、新潟の日本酒。
この日のラインナップはこちらです。
Vilmart & Cie Grande Réserve Brut
八海山 瓶内二次発酵酒 白糀あわ
金鶴 本醸造 生酒
八海山 瓶内二次発酵酒 あわ
八海山 本醸造
まとめ──美宝という新しい価値との出会い
漁師による徹底した品質管理から生まれた「美宝」。
そこに料理人の技が加わり、一尾の魚が特別な美味しさへと仕上がっていきます。
産地・技・想いが詰まった“ストーリーのある食材”でした。
今回のイベントを通して感じたのは、「美宝」が持つ新潟の自然と人の力、そして“食の未来”への大きな可能性。
今後「美宝」どのように広がっていくのか、楽しみです。
▶︎ 美宝 公式HPはこちら:新潟のどぐろ「美宝」 | 宝漁鮮美
