【2026年ワインエキスパート二次試験】ソムリエが実際に受験!テイスティング全5種を振り返る

2026年のJ.S.A.ワインエキスパート二次試験では、例年通り4種類のワインと「その他のお酒」1種類が出題されました。

今回、ソムリエ資格を持つWine Flight編集部メンバーが、実際に二次試験のテイスティングに挑戦。

ブラインドテイスティングでは、正解を知ったあとなら「なるほど」と思えても、限られた時間の中で目の前のグラスから品種・産地を導き出すのは別の話です。

実際にどんな香りや味わいを感じ、何を候補に挙げ、どこで迷ったのか。試験中の思考をたどりながら、5種類を振り返ります。

1番|アメリカ・シャルドネ 2024

外観は、淡めのレモンイエロー。グリーンが強く出ている色調ではありませんでした。

そして何より印象的だったのが、はっきりと感じられる樽のニュアンス。

「これはかなりアメリカっぽい」と感じ、品種については比較的早い段階からシャルドネを有力候補にしました。

そして南アフリカのシュナン・ブランもよぎりますが、選択肢になかったのでセーフ…ここで迷う必要がなかったのはホッとしました。

今回の4種類の中では、比較的品種にたどり着きやすいワインだったように思います。

ただし、私は最終的に日本×シャルドネにしてしまいました。アルコール度数を高く感じず、線の細さを感じたからです。樽の香りが目立つ日本のシャルドネかなぁなんて思ってしまいました。

2番|フランス・ゲヴュルツトラミネール 2022

これは香りを取った段階で、ゲヴュルツトラミネールが候補に入りました。

色調はやや濃いめのイエロー。口に含むと、豊かなアルコールのボリューム、低めの酸、苦味が印象的でした。

辛口の範疇だと思いながらも、どこかほのかな甘みを感じるような味わい。

香りだけでなく、口に含んだときの質感まで含めて考えると、かなりゲヴュルツトラミネールらしい構成でした。

産地も含め、アルザスのゲヴュルツトラミネールとして比較的迷わず回答できたワインです。

3番|イタリア・ネッビオーロ 2020

3番は、試験開始間にグラスが目の前にある段階から品種が浮かびました。

色調にはすでにオレンジのニュアンスが見られ、濃淡はかなり明るめ。

「これはイタリアのネッビオーロでは?」

と、まだ香りを取る前から候補に。

香りにも熟成を感じさせるニュアンスがあり、口に含むとしっかりとしたタンニン。外観、香り、味わいがきれいにつながりました。

ここはイタリア×ネッビオーロでほぼ迷わずマーク。

典型的な特徴を勉強していれば、比較的正解へたどり着きやすい問題だったと思います。

4番|最大の難問? 日本・メルロ 2023

今回、個人的に最も難しかったのが4番でした。

正解は日本のメルロ 2023年。私はこれを当てることができませんでした。

外観はやや濃いめのガーネット・ダークチェリーレッド。中心部にはやや黒みが感じられましたが、非常に濃いわけではない。パープルの色調はなく、若さを抜けた印象です。

香りは黒系果実に樽のニュアンス。明確なピラジン香があるわけでも、ココナッツ的な樽香でもなく、決定的な特徴がなかなかつかめません。

そして口に含んで驚いたのが、かなり強く感じられたタンニンでした。しかもとげとげしい感じ。

「このタンニンならカベルネ・ソーヴィニヨンでは?」

アルコールや果実のボリュームはそれほど大きくなく、全体としては比較的ほっそりしたミディアムボディ。日本という可能性も考えました。

それでも「日本のメルロなら、もう少し青さを感じるのでは」という先入観が邪魔をして、日本×メルロにはたどり着けず。最終的には「違うだろうな」と思いながらフランス×カベルネ・ソーヴィニヨンに。

あーーー何だろう、とすべて飲み干してしまいました。

試験後、周囲でもこの4番はかなり意見が割れていました。特に強いタンニンからカベルネ・ソーヴィニヨンを選んだ人も多かったようです。

今回の4番は、ブラインドテイスティングの難しさを改めて感じさせる一杯でした。

5番|その他のお酒「ラム」

最後は「その他のお酒」。

選択肢を見ると、コニャック、アルマニャック、バーボンウイスキー、ラム。

ワインの回答を優先し、このグラスに手をつけたのは「残り10分」のアナウンスが入ってからでした。強いお酒を口に含んでしまうとワインに戻れないと思ったからです。

少量を口に含み、そのあと水を口に含んで口中に広げながら確認。すると、鼻に抜ける甘やかな風味から「ラムレーズン」を連想しました。

第一印象はラム。

バーボンでは絶対にない。コニャックやアルマニャックの可能性も考えましたが、「この2つをブラインドで区別させる問題なのだろうか?」とも考え、最初の感覚を信じてラムを選択。

結果は正解でした。

総括|2026年の問題を受けて感じたこと

全体としては、良い出題だったというのが率直な感想です。

1番のシャルドネは樽のニュアンスが明確。2番のゲヴュルツトラミネールは香りに加えて低い酸、アルコールのボリューム、苦味。3番のネッビオーロは淡い色調とオレンジのニュアンス、熟成香、強いタンニン。

それぞれ、教科書で学ぶ品種の特徴と実際のグラスを結びつけることができれば、正解に近づける問題だったと思います。

一方、難しかったのが4番の日本のメルロ。

今振り返れば、アルコールのボリュームが中程度、全体的に線の細い印象だったことから、「日本」という可能性をもう少し強く考えてもよかったのかもしれません。

試験終了後の走り書きのメモをもとに、記憶が鮮明なうちに簡単ですが今回のテイスティングを記録に残しました。

普段なかなか経験することのできない、本番の試験という緊張感の中でのブラインドテイスティング。正解・不正解だけでなく、グラスから何を感じ、なぜその答えを選んだのかを振り返ることも、貴重な学びになったように思います。

この記事を書いた人

Wine Flight編集部です。この度は当サイトをご覧いただきありがとうございます。Wine Flight編集部では、CAライターと共にCA視点のワイン情報をお届けしてまいります。どうぞお楽しみに!

目次