サクラアワードは、審査員が全員女性という、世界的にも稀有な特徴を持つ国際的なワインコンペティションです。
本記事では、2026年の審査会場を取材し、エントリーの動向や新カテゴリー、審査が行われる会場の様子をお伝えします。さらに、審査員として参加した現役CAの声や、サクラアワードの主宰・審査責任者である田辺由美さんへのインタビューもご紹介します。
WF編集部「Wine Flight(ワインフライト)」は、CA(客室乗務員)が執筆するワイン情報WEBメディアです。
サクラアワードとは|女性審査員だけで行われるワインコンペティション


サクラアワードの目指す3つのスローガン
サクラアワードが目指しているのは、次の3つです。
「料理に合う美味しいワインを探すお手伝いをすること」「ワインの消費量を伸ばすこと」、そして「女性の活躍の場を広げること」。
“SAKURA” Japan Women’s Awardsとは
“SAKURA” Japan Women’s Awards(通称:サクラアワード)は、日本の女性が審査を行う国際的なワインコンペティションとして、2014年にスタートしました。
毎年およそ4,000アイテムを超えるワインがエントリーされ、アジア最大かつ最も価値あるワインコンペティションのひとつとして、国内外から高い注目を集めています。
その受賞結果は、日本女性ならではの繊細な味覚や生活者目線を反映した「新しいワイン選びの基準」を提示し、世界のワイン業界からも関心を寄せられています。
女性ワインプロフェッショナルによる審査体制


全員女性のワインプロフェッショナル
サクラアワードの審査を担うのは、すべて女性のワインプロフェッショナルです。
ソムリエをはじめ、ワイン輸入会社、ワインの流通・販売、醸造家、ワインスクール講師、ワインジャーナリストなど、ワイン業界のさまざまな分野で第一線を走るスペシャリストが集います。
毎年400名を超える女性審査員が参加し、世界各国から集まったワインを厳正に評価しています。



審査員には現役CAや元CAでワイン業界で活躍されている方々もいらっしゃいました。審査員として参加されていた現役のCAさんによると、「ワイン業界で働く方々とエントリーワインについてはもちろん、最近のトレンドワインについても情報交換ができる場だった。サーブするソムリエの方々も多数参加していて、お祭りのような雰囲気が印象的だった」とのことです。


年間スケジュールと受賞区分
サクラアワードの年間スケジュールは、エントリー受付が10月1日から11月30日まで、審査会(東京・大阪)は年1回実施され、受賞ワインの発表は毎年2月頃に行われます。
結果は“SAKURA” Japan Women’s Awards公式ホームページにて公表され、受賞ワインにはメダルロゴシールが貼付されます。
主な受賞区分は、ダイヤモンドトロフィー、ダブルゴールド、ゴールド、シルバー、特別賞グランプリです。
オリジナリティあふれる特別賞の数々


特別賞には、和食&アジア料理に合うワイン賞、女性ワインメーカー賞、いつも飲みたいスパークリングワイン賞、ジャパニーズワイン賞、コストパフォーマンス賞、ロゼワイン賞、これから飲みたい品種賞、デザートワイン賞、フォーティファイドワイン賞、オレンジワイン賞と、多彩なカテゴリーが設けられています。



実際の食卓やライフスタイルに寄り添う視点から選ばれている点こそ、サクラアワードならではの特徴です。ワインのプロフェッショナルである女性審査員たちの豊かな食の経験と洗練された味覚が、評価に反映されているといいます。
サクラアワード2026のエントリー概要と注目ポイント
13回目を迎えるサクラアワード。本年は世界37カ国から3,715アイテムがエントリーされました。国別のエントリー数は、フランス816、イタリア691、日本429、スペイン417、チリ296と続きます。
近年は参加国の広がりも顕著です。モルドバ、スロバキア、チェコなど東欧諸国からのエントリーが増加し、日本ではまだ目にする機会の少ないインドやタイのワインもエントリーされました。
一方で、日本で人気と知名度を高めつつある高品質スパークリングワインで知られるイギリスからのエントリーが1アイテムのみだった点は、意外に感じられます。
2026年から新設されたカテゴリー


サクラアワード2026では、新たな審査カテゴリーとして「フレーヴァードワイン」を追加。さらに、近年拡大する低アルコール・ノンアルコール市場の動向を踏まえ、「低アルコールワイン賞」と「ノンアルコールワイン賞」が新設されました。



主宰・審査責任者の田辺由美さんによると、こうしたカテゴリーの拡張も、ワイン市場の変化を反映したものだといいます。ただし対象はあくまでワインカテゴリーに限定されており、スピリッツなど他の酒類が含まれる予定はないとのことです。
サクラアワード2026 審査会場の雰囲気


広い会場には多くのテーブルが並び、審査は滞りなく進められている様子でした。集中して審査を行っているグループもあれば、休憩に入っているグループもあります。静かな会場の中で、控えめな談笑が交わされる和やかな雰囲気が印象的でした。ワインをサーブするソムリエは男性が中心で、審査が円滑に進むよう支えている様子がうかがえました。
審査は5名1グループで行われ、1本のワインをテイスティングし、100点満点で採点されます。各グループには、経験豊富で審査会への参加歴も多いメンバーがグループリーダーとして配置され、審査を統括しています。
審査員に開示される情報は、品種、ヴィンテージ、アルコール度数、残糖分、バリックの有無、そしてスパークリングワインの場合は醸造方法です。
審査は1日あたり1グループで4〜5フライトを担当。1日平均約50アイテムをブラインドテイスティングし、評価が行われます。



審査員の募集は毎年行われています。ワイン業界で働く女性はぜひ挑戦してみては?詳しくはサクラアワード公式HPをご確認ください。
田辺由美さんに聞く|サクラアワードと女性活躍


サクラアワードでは、審査員が毎年すべて入れ替わるわけではありません。一部の審査員は継続して参加しながら、新たな女性審査員が加わる仕組みがとられています。審査員の募集は毎年行われており、ワインに関わる女性たちにとって挑戦の機会が開かれている点も大きな特徴です。
Wine Flightとしても、ワインの資格を持ちながら、その次の一歩に迷う女性の声を多く耳にしてきました。ワインが好きで資格を取得し、十分な知識を備えていながらも、その活かし方に悩む方々に向けて、どのようなメッセージを伝えたいですか――そう田辺由美さんに伺いました。
女性のキャリアについて、田辺さんが強調されたのは「小さな仕事を大切にすること」の重要性でした。ご自身も問屋業務、執筆、出版、ワイン講師など、ワインに関わるさまざまな仕事を積み重ねてこられたといいます。
ワインに関わる仕事であれば、規模の大小にかかわらず、一つひとつを丁寧に積み重ねていくこと。その姿勢が周囲からの信頼や自分自身の納得感へとつながり、やがて第一線で活躍するための土台を築いていく――そう語られました。
サクラアワードは、単なる審査の場にとどまりません。ワインを仕事にしたいと願う女性たちにとって、経験を重ね、自らの立ち位置を確かめ、次のステップへ進むための機会を提供する場でもあるのです。
受賞発表は2月27日(金)|サクラアワード2026


世界各国から多彩なワインが集まり、厳正な審査が行われるサクラアワード。その舞台には、ワインの品質を評価する場としての役割だけでなく、女性が活躍する機会を広げるという大きな意義があります。
受賞結果は 2月27日(金) にサクラアワード公式HPにて発表されます。さらに 「“SAKURA” JWWA Grand Tasting 2026」 が 4月2日(木)、セルリアンタワー東急ホテル(渋谷)にて開催予定で、受賞ワインのBtoB試飲会が行われます。
サクラアワード受賞ワインにはロゴメダルが付けられています。ぜひ、店頭やメニューリストで美味しいワインを見つける目印にしてみてください。









