仕事とワイン勉強の両立《JAL現役CA×ワイン》宮崎まりさん連載コラム 第3回

【Wine Flight編集部より】

このたびWine Flightでは、日本航空の現役客室乗務員であり、ワインの国際的な難関資格「WSET Level 4 Diploma」および「国際ソムリエ協会A.S.I Diploma Gold」を保持する宮崎まりさんによる特別連載を、全5回シリーズでお届けいたします。

客室乗務員としてのキャリアと、ワイン資格取得の両立。そのリアルな体験を通じて、「好きを形にする働き方」や「学びを通して広がる可能性」に触れていただけるはずです。
ぜひ、シリーズを通してご覧ください。

目次

仕事とワイン勉強の両立

私が航空会社の客室乗務員(CA)として働きながらワインの勉強を続けることは、決して簡単なことではありませんでした。特に、機内勤務は長時間に及ぶことも多く、フライト中は使える時間も限られています。それでも、私がワイン資格を取得するためにどのように勉強と仕事を両立させ、成果を上げることができたのか、その過程を振り返りながらお話ししたいと思います。

忙しい勤務の中での学びの時間確保

客室乗務員の仕事は非常に多忙です。フライトの前後での事前学習と準備、振り返り、お客さまへの機内サービスなどで多くの時間を費やします。時差調整もあり、学習時間を確保するのは簡単ではありません。それでも、私は「ワインを学び続ける」という目標を掲げ、仕事と勉強を両立させる方法を模索してきました。

まず、最も重要だったのは、「空き時間をどう活用するか」を考えることでした。わずかな隙間時間を学びの時間に充てる工夫をしました。これにより、1日の中で少しずつでも勉強を続けることができました。特に、オンラインで提供されているワインに関する資料やビデオ講座は、通勤時間に見ることができるため、効率的に学習を進めることができました。

多忙な日々でも、学びを止めない工夫を

目標設定とスケジュール管理

ワイン資格を取得するためには、長期間にわたって計画的に学び続けることが必要です。そのためには、明確な目標を設定し、スケジュール管理を徹底することが重要でした。私は、資格試験に向けた学習計画を立てる際には、フライトスケジュールを考慮し、いつ、どれくらい勉強できるかを事前に見積もって計画を立てました。

例えば、WSETの勉強では、試験日程にあわせて学習の進捗をチェックし、重要なトピックを優先的に学ぶようにしました。海外の滞在先のホテルでは集中して学習できる良い機会でもありました。ホテル到着後に食料を買い出しに行き、その後はホテルにこもって勉強することも多かったです。また、試験前の1週間は、有給休暇を取得し、集中して学習できるようにしました。

モチベーション維持のための工夫

仕事と勉強を両立させる中で、最も大切なのはモチベーションを維持することです。特に、試験の準備が進むにつれて、疲れやストレスが溜まることもありました。そこで、モチベーションを維持するために、私はいくつかの方法を実践しました。

まず、勉強の成果を実感することが大切だと感じました。勉強を進めるごとに、新しい知識を身につけることができ、徐々に自信がついていきました。特に、機内でのワインサービスに関する知識が増えることで、お客さまからの質問に自信を持って答えられるようになり、その成果を実感することでモチベーションが上がりました。

さらに、勉強を単調に感じないように工夫しました。ワインの勉強は、味わいの違いやペアリングの知識など、実際に体験を通して学ぶことも必要です。机上の学習だけではなく、実際にワインのテイスティングを行い、その知識を試すことで、より実践的な学びを得ることができました。また、生産者セミナーやワイン会、ワインイベントに参加することで、学びの幅を広げ、実践的な知識を得ることができました。

まとめ

ワイン資格の取得は、仕事と勉強を両立させるための努力と工夫が必要でしたが、それを実現できたことで大きな成果を感じています。限られた時間の中で効率的に学び続けるためには、計画的なスケジュール管理やモチベーション維持の方法が重要でした。また、周囲のサポートや実践的な学びを取り入れることで、より効果的に知識を深めることができました。

 今後も、ワインに関する知識をさらに深め、客室乗務員としての仕事に活かしていきたいと考えています。勉強と仕事の両立は大変ではありますが、その努力が実を結ぶ瞬間があると、非常にやりがいを感じます。これからも、自分自身に挑戦し続け、ワインを通じて成長を続けていきたいと思います。

仕事と学びを両立して掴んだワイン資格

【次回予告】
第4回:「CAとしてJSA、 WSET、 ASIの上位資格への挑戦」
7月11日公開予定

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