【参加レポート】勝沼ワイナリーズクラブ主催 | 産地・品種・ヴィンテージの違いを比較テイスティング

目次

勝沼ワイナリーズクラブとは

山梨県・勝沼は、甲州ブドウ栽培に約1,200年、ワイン造りにおいても120年以上の歴史を持つ、日本を代表するワイン産地です。明治時代にはすでに醸造技術を学ぶためフランスへ人材が派遣されるなど、日本の近代ワイン造りの礎が築かれてきました。

こうした歴史を背景に、1987年、勝沼のワイン産業の未来を見据えた生産者たちによって「勝沼ワイナリーズクラブ」が設立されました。設立の中心となったのは、日本のワイン造りの発展に貢献してきた先駆者たちの志を受け継ぐ、地元の醸造家たちです。

1980年代は輸入ワインの増加により、日本のワイン市場が大きく変化した時代でもありました。そうした中で、ブドウ栽培やワイン造りを通して勝沼のまちづくりに貢献するとともに、甲州種ワインの品質向上を目指す取り組みが始まりました。

クラブは、フランスの原産地呼称制度(A.O.C.)に倣い、

・勝沼町のまちづくりの一翼を担い、ブドウの景観の保持に努める
・甲州種ワインの品質の向上をアピールしていく
(引用:勝沼ワイナリーズクラブ公式HP)

という目的のもと設立されています。

クラブの品質基準は、勝沼産甲州ブドウを100%使用すること、醸造過程の詳細な記録を提出すること、さらに官能審査に合格することなど、複数の条件を満たしたワインのみが認証されます。こうして認められたワインは、品質の証として専用のロゴマーク入りボトルに詰められ、消費者へと届けられています。

写真中央が品質の証、ロゴマーク入り「勝沼ボトル」

また、クラブの活動はワインの品質向上にとどまりません。甲州ブドウの価格維持に向けて働きかけを行うなど、栽培農家を含めた産地全体を支える役割も担ってきました。

現在は7つのワイナリーが参加し、それぞれが個性を追求しながらも、勝沼という産地の価値を高めるという共通の理念のもと、ワイン造りに取り組んでいます。

詳しくは公式HPをご覧ください。
勝沼ワイナリーズクラブ

WF編集部

今回は、勝沼ワイナリーズクラブに参加する生産者のワインを実際にテイスティングし、それぞれの個性と魅力を体験する試飲会に参加しました。


勝沼ワイナリーズクラブ合同テイスティング会

勝沼を代表する7つのワイナリーが参加し、品種、産地、製法、そしてヴィンテージの違いを比較する合同テイスティング会が開催されました。

各ワイナリーが明確なテーマを設定し、垂直・水平比較でテイスティングすることができました。
造り手の皆さまそれぞれから、ワイナリーの歩みや試飲ワインの特徴、比較のポイントについて直接説明を受けながら味わえる、貴重な機会となりました。

WF編集部

司会の宮坂佳奈さんによるインタビュー形式で、各ワイナリーの皆さまの想いや背景をじっくり伺うことができました。


白百合醸造|マスカット・ベーリーAの熟成がもたらす新たな魅力

白百合醸造は1938年創業、山梨県甲州市勝沼町に位置する老舗ワイナリーです。自社畑ではマスカット・ベーリーAや甲州、欧州系品種を栽培し、日本の風土を活かしたワイン造りを続けています。

説明するのは白百合醸造株式会社 執行役員・製造/営業統括 石川 資さん。左は司会の宮坂 佳奈さん。
マスカット・ベーリーA「自社畑とヴィンテージ比較」

マスカットベーリーA樽熟成 2018
マスカットベーリーA樽熟成 2022
MBA ヴィーニュドゥシラユリ 2022
MBA ヴィーニュドゥシラユリ 2023

ワイン造りにおいて重視しているのは、ワイン単体の個性だけでなく、日本食に寄り添う「食中酒」としてのバランスです。特に、日本固有品種であるマスカット・ベーリーAは、日本食の繊細な旨味や甘辛い味付けと調和しやすい品種として位置づけられています。

近年では、自社畑の品質向上を背景に、トップキュヴェ「ヴィーニュドゥシラユリ」をリリース。従来のキャンディー香を前面に出したスタイルとは異なり、長期熟成も可能な、より本格的なマスカット・ベーリーAの表現を目指しています。

また、同じキュヴェでもヴィンテージによって異なる個性が明確に表れ、凝縮感に優れた年や酸が際立つ年など、年ごとの特徴を楽しめる点も魅力です。

「マスカット・ベーリーA 樽熟成」

2018年ヴィンテージ

  • 黒ブドウにとって非常に条件の良いビッグヴィンテージ
  • ブドウの成熟が進み、凝縮感のある仕上がり
  • 果皮の色も濃く、力強いスタイル

2022年ヴィンテージ

  • 雨が少なく、高温な年
  • ブドウはしっかり成熟しながらも、酸が際立ったバランス
  • より引き締まった印象のスタイル

「ヴィーニュ・ドゥ・シラユリ」

2022年ヴィンテージ

  • 天候に恵まれた優良年
  • 凝縮感のあるブドウを収穫

2023年ヴィンテージ

  • 雨が多く、栽培の難しい年
  • 自社畑では良質なブドウを収穫
  • 例年より遅い10月に収穫
  • 生産本数は一樽分(約300本)のみの希少なヴィンテージ

マスカット・ベーリーA樽熟成は、より品種らしさを素直に感じられる一本です。赤い果実のチャーミングな香りとやわらかな口当たりが印象的です。一方のヴィーニュドゥシラユリは、今飲んでも美味しさを感じられる完成度を備えながらも、より凝縮感があり、熟成のポテンシャルを感じさせます。時間の経過とともに、マスカット・ベーリーAがどのように変化していくのか、その先を想像する楽しみもあるワインでした。

ロリアンワインの白百合醸造


錦城葡萄酒|日本固有交配品種「甲斐ノワール」の熟成ポテンシャル

錦城葡萄酒は1939年創業、山梨県甲州市勝沼町に拠点を置くワイナリーです。地域の農家と歩調を合わせながら、伝統的な味わいを大切にしつつ、これからワインを楽しむ人にも届く一本を目指して醸造を続けています。

説明するのは錦城葡萄酒株式会社 代表取締役 高埜 秀之さん
甲斐ノワール「ヴィンテージ比較」

紫苑2012 甲斐ノワール 2012
紫苑2014 甲斐ノワール 2014
紫苑2019 甲斐ノワール 2019
紫苑2021 甲斐ノワール 2021

この日紹介された「甲斐ノワール」は、山梨県が1970年に「ヨーロッパのワインに負けない力強い赤ワイン」を目標に開発した品種、ブラック・クイーンとカベルネ・ソーヴィニヨンの掛け合わせです。

甲斐ノワールの魅力として語られたのは、スパイスのニュアンスと、タンニンによる骨格です。若いうちはみずみずしさが前に出る一方、熟成によってその力強さがほどけ、より良い方向へとまとまっていく——その変化が魅力だと説明されました。実際に今回のテイスティングでは、最も若い2021年から熟成が進んだ2012年が用意され、熟成による変化を体験できる構成となっていました。

2021年ヴィンテージは、若々しさが感じられ、青い野菜を思わせるニュアンスや土の香りが特徴として挙げられました。一方で2014年ヴィンテージは、スパイシーさや酸味が落ち着き、よりこなれた印象へ。さらに2012年ヴィンテージは特に評価が高く、熟成によってお醤油のような香ばしい熟成香が現れた、という声も聞かれました。

日本食との相性についても触れられ、力強さを備えながら食卓に寄り添う赤として提案しやすいことが、甲斐ノワールの魅力の一つだそう。

錦城葡萄酒株式会社


原茂ワイン|自家農園メルロの水平×垂直比較

原茂ワインは1924年、地域の農家が栽培したブドウを醸造する場として創業したワイナリーです。現在も、創業当時から関係の続く地域のブドウを大切にしながら、勝沼の風土を反映したワイン造りを続けています。

説明するのは原茂ワイン株式会社 専務取締役 古谷 紘央さん
メルロ「畑別・年代別テイスティング」

メルロ 内匠屋・長遠寺 2018
メルロ 長遠寺 2018
メルロ 内匠屋 2023
メルロ 長遠寺 2023

今回のテーマとして紹介されたのは、同ワイナリーが力を注いできたメルロです。自社畑での栽培を始めた当初は、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの品種も試みられましたが、土壌との相性が思わしくなく、十分な成熟が得られなかったといいます。そうした経験を経て、畑の特性に適したメルロに注力する方針が定まり、現在ではメルロを中心に、シラーや日本の交配品種なども栽培されています。

この日提供されたメルロは、区画違いとヴィンテージ違いの両方を比較できるように用意されていました。「内匠屋」や「長遠寺」といったワイン名は、それぞれの畑の所在地に由来しており、土地ごとの個性をそのまま表現する意図が込められています。

両区画はいずれもかつて田んぼだった場所で、粘土質の土壌を持ち、水はけが良いとは言えない条件にあります。わずかな標高差があり、低い位置にある「内匠屋」に対して、「長遠寺」は比較的熟度の高い果実が得られる傾向にあると説明されました。また、「内匠屋」は垣根栽培、「長遠寺」は棚栽培と、仕立て方法も異なり、それぞれが異なる個性をワインにもたらしています。

醸造においては、果皮や種子との接触期間を長めに取ることで、メルロの構造をしっかりと引き出すことを重視しているといいます。約4週間の醸し期間を経て、ワインによっては新樽を使用するなど、それぞれの区画やスタイルに応じた仕上げが行われています。

新樽の使用比率についても試みが続けられており、新樽由来の香りや樽の種類がワインにどのような影響を与えるのか、ブドウとの調和を探りながら、さまざまな可能性を検討しているとのことです。

原茂ワイン株式会社


丸藤葡萄酒|プティ・ヴェルドが勝沼で示す可能性

丸藤葡萄酒工業は1890年創業、今年で136年目を迎える勝沼の老舗ワイナリーです。大村氏は4代目として家業を継ぎ、現在は年間約15万本のワインを生産しています。伝統の在来品種「甲州」をはじめ、欧州系品種の「カベルネ・ソーヴィニヨン」「メルロ」「プティ・ヴェルド」「シャルドネ」「ソーヴィニヨン・ブラン」なども栽培・醸造し、勝沼の風土を映し出す多彩なワインを手がけています。

説明するのは丸藤葡萄酒工業 代表取締役 大村春夫さん
プチ・ヴェルド「ヴィンテージ比較」

ルバイヤートプティヴェルド 2014
ルバイヤートプティヴェルド 2017
ルバイヤートプティヴェルド 2020


今回紹介されたのは、プティ・ヴェルドを主体にしたワインです。

プティ・ヴェルドは果粒が小さく、酸が強い品種です。ボルドーでは通常6〜7%ほど補助的に用いられることが多く、100%で仕立てるのは非常に珍しい挑戦といえます。

実際には、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、プティ・ヴェルドを同じ条件で栽培し比較した結果、最も出来が良かったのがプティ・ヴェルドだったといいます。本来は“スパイス”的な役割を担うことの多い品種ですが、そのポテンシャルを見極め、主役に据えたそうです。

しかしその道のりは決して平坦ではありません。2012年、2013年は厳しいヴィンテージ、2015年も造られませんでした。2016年には雨で全滅という大きな試練にも見舞われます。2017年に復活を果たしたものの、それ以前のヴィンテージとはタッチが異なると感じており、現在リリースについても慎重に検討しているとのことでした。

2014年ヴィンテージは現在10年以上熟成しています。大村氏は、強い酸と構造を持つプティ・ヴェルドは15年ほど熟成させることでより真価が明確になるのではないかとおっしゃていました。

丸藤葡萄酒工業が「ルバイヤート」というブランド名を使っているのは、ワインの世界観と詩の文化が重なるからです。1950年代に三代目社長・大村忠雄氏の知人を通じて詩人の日夏耿之介(ひなつこうのすけ)氏に名付けを依頼したところ、ペルシャの詩人オマル・ハイヤームの詩集「ルバイヤート(四行詩集)」の名前を提案しました。「ルバイヤート」にはぶどう酒や人生の楽しみについての詩が多く含まれており、その豊かな情緒がワインの味わいや精神にも通じるとして選ばれたといいます。また、この詩集は岩波文庫でも出版され、広く親しまれている作品です。

ルバイヤートワイン|丸藤葡萄酒工業


シャトー・メルシャン|シラーの産地による個性の違い

メルシャンは、日本国内の複数産地からブドウを調達し、各地の個性を活かしたワイン造りを行っています。北は秋田県、山形県、福島県から、長野県、山梨県まで、契約農家から年間約600tものブドウを仕入れているとのことです。

説明するのはメルシャン株式会社 シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリー長 生駒 元さん
シラー「テロワールの違い」

椀子シラー 2022
鴨井寺シラー 2022
天狗沢シラー 2022

今回提供されたのは、すべて2022年ヴィンテージのシラー。ヴィンテージは同じでも、産地の違いによって味わいがどのように変化するのかを比較する内容でした。

鴨井寺シラー(山梨県山梨市)

標高340m、2015年から栽培が始まった畑です。砂礫質土壌で、非常に柔らかく華やかな香りが特徴です。酸味は穏やかで、親しみやすさのあるスタイルに仕上がっています。

天狗沢シラー(山梨県甲州市塩山)

標高850mという高地に位置し、2017年からまとまった収穫が始まった畑です。砂礫質土壌で、鴨井寺と比較すると酸がしっかりとしており、より涼しげな印象を持ちます。

香りのニュアンスも異なり、鴨井寺が黒胡椒的なスパイス感を持つのに対し、天狗沢は白胡椒や山椒のような繊細で清涼感のあるスパイスが感じられます。標高の高さがもたらす緊張感のあるスタイルが印象的でした。

椀子シラー(長野県上田市)

2003年から栽培が続く、樹齢の高い区画です。非常に重い粘土質土壌で、乾くと硬く固まるため、ブドウの根に強いストレスがかかります。加えて風も強く、ブドウにとっては厳しい環境です。

しかしその厳しい環境こそが、ブドウに高い充実度をもたらします。果実味の凝縮感、スパイスの複雑さ、構造の力強さは他の2つの産地とは異なります。

後半では、地球温暖化がブドウ栽培に与える影響についても言及されました。

メルシャン社の最良の畑とされる勝沼・城の平(標高650m)では、温暖化の影響によりカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローといった品種が、従来の品質バランスを維持することが課題になっているといいます。

その一方で、新たな可能性も生まれています。鴨井寺(標高340m)でシラーを試したところ、非常に良い結果が得られました。今後はこの地域でのシラー栽培を拡大する計画もあるそうです。

また、標高850mの天狗沢では、かつて椀子ヴィンヤードが持っていたような涼しげなニュアンスを備えた、新しいスタイルのシラーが生まれつつあります。一方で、椀子ヴィンヤード自体も温暖化の影響で気温が上昇しており、以前よりも温かみのあるスタイルへと変化しています。

産地の個性は固定されたものではなく、気候の変化とともに移ろっていくもの。その動きの中で、どの土地にどの品種をどう植えるのかという戦略が、いま大きな意味を持っています。

シャトー・メルシャン


くらむぼんワイン|シャルドネ垂直テイスティング

くらむぼんワインは、大正二年にワイン造りを開始し、現在で四代目となります。創業から114年という、長い歴史を持つワイナリーです。

創業100周年を機に、社名をそれまでの「山梨ワイン」から「くらむぼんワイン」へと変更しました。この新しい社名は、宮沢賢治の童話「やまなし」から着想を得たものです。作中に登場する「くらむぼん」という言葉が象徴する、自然と静かに調和していく世界観。そのイメージをワイナリーの在り方と重ね合わせ、社名に込めたといいます。

説明するのは株式会社くらむぼんワイン 代表取締役 野沢 たかひこさん
シャルドネ「ヴィンテージ比較」

七俵地シャルドネ 2009
七俵地シャルドネ 2014
Nシャルドネ 2017
Nシャルドネ 2022

今回提供されたのは、同じ畑で栽培されたシャルドネの垂直テイスティングです。

このような形で過去ヴィンテージを揃えて開栓するのは初めての試みとのこと。それぞれ数本から多くても10本程度しか残っていない、大変希少なワインです。当日初めて開栓するため、どのような状態かは開けてみなければ分からない、中にはピークを過ぎているものもあるかもしれないという前置きもありました。

シャルドネは、その土地がブドウに反映されやすい品種とされています。だからこそ、テロワールの違いを明確に伝えるテーマとして選ばれました。七俵地畑シャルドネの特徴香は“白胡椒”の香りだそう。

「N エヌ」はワイナリーオーナーのファミリーネームの頭文字「N」をブランド名にしたフラッグシップワインシリーズ(ワインボトルの写真では左側の2本)です。自社畑”七俵地畑”で化学農薬や化学肥料を使わず不耕起で、自然に即した栽培をするシャルドネを主体に、ヴィオニエがブレンドされているとのことでした。2017年はより樽の風味をしっかりと感じ、2022年はヴィオニエのニュアンスを感じる華やかな香りで厚みのある味わいが印象的でした。

ラベルのデザインが異なりますが4本とも、同じ畑のシャルドネです。熟成を経た日本のシャルドネを味わうことはなかなかないので、貴重な機会でした。

くらむぼんワイン


蒼龍葡萄酒|甲州の製法違いによる味わいの多様性

蒼龍葡萄酒株式会社は、1899年(明治32年)創業。勝沼でも長い歴史を持つ、伝統あるワイナリーのひとつです。

その醸造哲学は、その年に収穫されたブドウ本来の魅力や個性を損なうことなく、素直にワインの香りや味わいに表現すること。勝沼町内の契約農家とともに、地元に根差したワイン造りを続けており、ラインナップも非常に豊富です。

説明するのは蒼龍葡萄酒株式会社 工場長 中込 茂さん
甲州「製法別の味わいの探求」

シトラスセント甲州 2025
キュリアスTypeoR 2024
勝沼の甲州 樽熟成 2024
シャトーソウリュウ日川渓谷甲州樽発酵 2024

今回は数ある商品の中から、品種を「甲州」に絞り、4種類のワインが提供されました。

シトラスセント甲州

名前の通り、柑橘系の香りを際立たせたスタイルです。

通常よりも早めに収穫することで酸をしっかりと保ち、フレッシュな印象を引き出しています。また、一般的に使用されるボルドー液(農薬)を使用せずに栽培している点も特徴です。軽快で爽やかな甲州の魅力が素直に表現されています。

キュリアスTypeoR(オレンジワイン)

果皮由来の旨味と、美しいオレンジ色が印象的な一本です。

赤ワインと同様に、果皮と果汁を一緒にタンクで醸す「醸し発酵」を行うことで、甲州の果皮が持つほのかな赤みを活かし、自然なオレンジ色を引き出しています。甲州の新たな可能性を感じさせるスタイルです。

勝沼の甲州 樽熟成(勝沼ワイナリーズクラブボトル)

ステンレスタンクで発酵後、樽で3カ月熟成させています。ブドウの旨味に、穏やかな樽香が重なり、バランスの取れた味わいに仕上がっています。

このワインは、勝沼ワイナリーズクラブ加盟7社による審査に合格したワインのみが使用できる特別なボトルでリリースされています。産地としての品質基準を象徴する一本でもあります。

写真中央は勝沼ワイナリーズクラブ、品質保証のロゴマーク入りボトル

シャトーソウリュウ日川渓谷甲州樽発酵

自社農園の甲州を100%使用し、樽で発酵・熟成させたワインです。樽由来の風味、厚み、複雑さがしっかりと感じられるスタイルです。

発酵段階から樽を使用することで、樽のニュアンスがより深く溶け込み、立体感のある味わいに仕上がっています。

同じ甲州でも、収穫時期、醸しの有無、樽の使い方による違いを混じられる比較テイスティングでした。

蒼龍葡萄酒株式会社


勝沼ワインの現在地|比較テイスティングで見えた多様性と可能性

勝沼といえば、甲州やマスカット・ベーリーAを思い浮かべる方も多いかもしれません。実際、これらは勝沼を代表する品種ですが、今回のテイスティングを通して感じたのは、「甲州」「マスカット・ベーリーA」という品種名だけでは語りきれないということでした。畑の立地や土壌、そして生産者のスタイルによって大きく異なります。また、メルロやシラー、プティ・ヴェルド、シャルドネといった欧州系品種も、それぞれのワイナリーの解釈を通して、勝沼ならではの個性を表現していました。

日本ワイン発祥の地・勝沼は、進化を続けながら、多様な可能性を示し続けています。今回の試飲は、その現在地と未来をあらためて実感する機会となりました。

造り手の想いが込められた勝沼のワインを、ぜひ味わってみてください。

勝沼ワイナリーズクラブ

WF編集部

勝沼を訪問したかのような充実感。お気に入りのワインや新たな発見もたくさんあった一日。暖かくなったらぜひ、勝沼のワイナリーを訪れようと思いました!

この記事を書いた人

Wine Flight編集部です。この度は当サイトをご覧いただきありがとうございます。Wine Flight編集部では、CAライターと共にCA視点のワイン情報をお届けしてまいります。どうぞお楽しみに!

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