【Vol.3】WSET® Level3合格体験記|英語受験の対策とは?

現役&元CAに聞く「ソムリエ・WSET試験合格体験記」をリレー形式でご紹介します。

機内でワインをサービスするCAにはソムリエやWSET などワインの資格を持つ人が多くいます。不規則な勤務の中、ソムリエやWSET試験に合格したCAたちの体験記はワイン関連資格の合格を目指す方のお役に立つはずです!

※WSET®はWine & Spirit Education Trust(ワインとスピリッツの教育企業合同)の略称で、ロンドンに本部を置く世界最大の酒類教育機関です。WSET Level1~Level4の国際的なワインの認定資格試験を提供しています

WSETの呼び方は「ダブリュー・エス・イー・ティー」

Vol.3担当 : Yuki
WSET Level3合格年 : 2022年
通ったワインスクール : アカデミー・デュ・ヴァン

目次

WSET Level3に挑戦した理由

J.S.A.認定ソムリエを取得後、英語でもワインを理解し、説明できるようになりたいと思い、WSETの受験を決めました。英語の勉強にもなるとだろうと軽い気持ちで始めましたが、難しい専門用語が多く、想像以上に大変だったのを覚えています。

通ったワインスクール

【アカデミー・デュ・ヴァン】

アカデミー・デュ・ヴァンに通い、毎週水曜日のクラスを受講していました。 スケジュールが厳しい週でも他の曜日に振替が可能だったため、とても助かりました。

また、担当の講師の方は隔週で試験に出そうな問題を課題として出し、添削まで対応してくださったので、課題に関しては、しっかり答えられるよう準備することができました。 さらに、毎回の授業で行われるテイスティングでは、受験生が実際にコメントを発表する形式で、試験対策として非常に有益でした。

英語で受験

受験は英語で行いました。英語でもワインに関する記事を読んだり説明ができるようになりたいと思ったのが理由です。また、英語の勉強にもなると考えていましたが、実際には第二言語でワインを学ぶことは、想像以上に大変だったのを覚えています。

セオリー対策の勉強はどのようにした?

WSET Level 3までは日本語のテキストもあるため、日本語と英語の両方の教材を購入しました。まず日本語のテキストで内容を理解し、その後に英語のテキストを読み、両言語で理解できるよう心がけました。

試験では文法の間違いは大きな減点にはならないものの、AOCやブドウ品種名などの綴りミスは得点にならないため、何度も練習しました。例えば、ブドウ品種であるGewürztraminerのような綴りが難しい用語は特に注意して覚えました。

また、「Wine Tasting Courses & Events |Thirty Fifty」という試験対策サイトを活用し、選択問題と記述問題の模擬試験を通じて実践力を高めました。 特に講師の「ここは重要」という指摘箇所は徹底的に復習し、出題されそうな問題についてはすぐに答えられるよう準備しました。

同じ時期に受験した方々との情報共有も大切にし、試験に出そうなポイントを重点的に勉強することで対策を進めました。日本語で理解をした後に、英語でも正確に記述できるよう繰り返し練習したことが、合格につながったと思います。

テイスティングの対策はどのようにした?

WSETのテイスティング試験では、SAT(Systematic Approach to Tasting Wine)に基づいたコメントが求められるため、まずはSATを暗記することから始めました。

私が通っていたアカデミー・デュ・ヴァンでは、授業内でテイスティング対策も行っていただいたので、授業で扱ったワインの特徴は復習をし、後から自分でテイスティングコメントを書けるように練習しました。

また、同じ受験生の方々ともテイスティング練習を行い理解を深めました。

さらに、WSETではワインが「acceptable」なのか「outstanding」なのかといった品質レベルを価格に基づいて判断し、コメントを書く必要があります。そのため、自宅では少し高価なワインと安価なワインを比較し、自分でテイスティングコメントを作成する練習も行いました。この方法は、JSA認定ソムリエ試験のときとは少し異なるアプローチで、WSET特有の試験対策として有効だったと感じています。

試験準備中の困難と克服法

記述問題が大半を占める試験形式に慣れていなかったため、自分に合った勉強法を見つけるのに時間がかかりました。

また、ソムリエ試験と比べて情報量が圧倒的に少なく、最初はどのように勉強を進めればよいのかわからず戸惑いました。 しかし、講師のアドバイスや受験生同士の情報共有を通じて、過去の出題傾向を把握し、それをもとに効率的に試験対策を進めることができました。この情報共有が学習の大きな助けとなりました。

試験本番の印象や対策

テイスティングとセオリーの両方で、時間配分を意識することが重要だと感じました。

テイスティングでは、迷って時間を使いすぎないよう、最初の印象を大切にしました。

セオリーでは、英語での記述が求められるため、日本語よりも時間が必要ですが、多少の文法ミスは問題にならないため、そこにこだわりすぎずに、正解につながるキーワードをしっかり記述することに注力しました。 また、設問に対する回答のフォーマットを事前に作り、頭に入れておくことで、効率よく解答できるよう準備しました。

試験後に感じた変化や新しい目標

WSET Level 3に合格したことで、ワインを通して仕事をしたいと考えるようになり、その年にWSET Level 4 Diplomaの受験を決意して申し込みました。Diploma試験は6科目に分かれており、2023年3月から受験を開始し、これまでに6科目中5科目をパスしました。 現在は、最後の1科目を勉強中です。その壁は大きいですが、2025年までに全科目を合格し、Diploma Holderになることを目指しています。

これから受験を目指す方へのアドバイス

お仕事をしながらの勉強は本当に大変だと思いますが、WSETの試験で得た知識や経験は、実際にワインの解説を求められる場面で大いに役立つはずです。
また、理解が深まることで、ワインの世界がより楽しくなると思います!頑張ってください!

この記事を書いた人

国際線CA
WSET®Level3 Award in Wines
日本ソムリエ協会認定ソムリエ

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