フライトの合間にワイン資格を取る方法、忙しくても学び続けられた理由《JAL現役CA×ワイン》宮崎まりさん連載コラム 第5回(最終回)

【Wine Flight編集部より】

このたびWine Flightでは、日本航空の現役客室乗務員であり、ワインの国際的な難関資格「WSET Level 4 Diploma」および「国際ソムリエ協会A.S.I Diploma Gold」を保持する宮崎まりさんによる特別連載を、全5回シリーズでお届けいたします。

客室乗務員としてのキャリアと、ワイン資格取得の両立。そのリアルな体験を通じて、「好きを形にする働き方」や「学びを通して広がる可能性」に触れていただけるはずです。
ぜひ、シリーズを通してご覧ください。

駐機場のJAL機
目次

フライトの合間にワイン資格を取る方法、忙しくても学び続けられた理由

航空会社の客室乗務員(CA)としての業務は非常に忙しく、勤務中は常にお客さまの安全や快適さを第一に考えなければなりません。特に、長時間のフライトでは、体力的にも精神的にも大きな負担がかかります。そのような状況下でも、私はワイン資格の取得を目指して勉強を続けてきました。今回は、フライトの合間にどのようにして資格取得に向けて学び続けていたのか、その方法や理由についてお話ししたいと思います。

フライトの合間に
資格取得を目指して勉強を続けてきた

隙間時間の有効活用

客室乗務員として働く中で、フライトの合間に意外と多くの時間があります。長距離フライトでは、渡航先のホテルでの滞在時間や、機内での休憩中など、想像以上に自由な時間を確保できることもあります。これらの隙間時間をいかに有効に活用するかが、資格取得を目指すうえでの鍵でした。

特に、私の場合、WSETやASIの勉強は理論的な内容が多いため、通勤中や休憩中の時間を利用して、資料やテキストを読むことができました。このようにして、集中して勉強できる環境を作る工夫が、勉強を続けるための第一歩でした。

フライト後の疲れを感じさせないモチベーション

客室乗務員の仕事は非常に肉体的にも精神的にも負担が大きく、長時間のフライトや連日勤務で疲れが溜まりがちです。また、時差調整も必要です。しかし、ワイン資格の取得に対する強いモチベーションが、そうした困難を乗り越える力となりました。

また、ワインに対する情熱が、私の学びを続ける原動力となりました。学んだことを機内サービスで活かすことで、私自身の成長を感じましたし、その過程でお客さまにより満足していただけるサービスを提供できるようになると実感できました。これが、私をさらに勉強へと駆り立てました。資格取得後には、ワインの知識をお客さまに提供できる場面も増え、それがさらなるモチベーションとなって、忙しい中でも学び続ける理由になったのです。

学んだことを
機内サービスで活かす

仕事と勉強のバランス

客室乗務員として働きながら資格を取得するためには、仕事と勉強のバランスを取ることが非常に重要です。私は、仕事とプライベートの時間をしっかりと区切り、計画的に勉強時間を確保するようにしました。

例えば、通勤中には短時間でも勉強をすることを習慣にしました。このようにして、限られた時間を最大限に活用し、計画した全ての学習内容を消化できるように努めました。また、試験の前には、事前に学習計画を立てて、有給休暇を取得して勉強しました。

勉強のために特別な時間を確保するだけでなく、隙間時間を活用する勉強方法も探しました。例えば、テキストやノートを常に携帯し、隙間時間に見ることで学習するようにしました。さらに、スマートフォンのアプリやオンライン講座を活用することで、移動中や滞在先のホテルでも学べる環境を整えました。これらの方法を駆使することで、忙しい中でも効率よく勉強を進めることができました。

フライト後のリフレッシュと集中力

長時間のフライト後には、どうしても体力的な疲れが残りますが、その疲れをリフレッシュし、集中力を高めるために工夫をしました。例えば、フライト後にしっかり休息を取り、頭をすっきりとさせた後で勉強に取り組むことが効果的でした。こうすることで、疲れが残っている中でも集中して勉強することができました。また、その日の勉強目標を達成したら、おいしいワインを飲む、と決めていたことも、モチベーション維持につながりました。

合格後の達成感と次の目標

勉強を続け、試験に合格したときの達成感は言葉では言い表せないほど大きなものでした。特に、WSET DiplomaやASI Diploma Goldといった世界的な上級資格を取得できたことは、自分自身の成長を実感できた瞬間でした。これらの資格を取得したことで、プロフェッショナルとしての自信を持つことができました。

これからも、多忙な業務と両立しながら学び続けることができるよう、日々工夫を凝らしていきたいと思います。そして、ワインに対する知識をさらに深め、客室乗務員としてだけでなく、ワインのプロフェッショナルとしてもお客さまに喜んでいただけるサービスを提供していきたいと考えています。

社内のワイン勉強会メンバー

まとめ

フライトの合間にワイン資格を取得することは決して簡単なことではありませんが、計画的に時間を使い、モチベーションを持ち続けることで実現可能です。勉強を続ける中で、ワインに対する情熱やお客さまへのサービスへの思いが、私の支えになりました。そして、資格取得を通じて成長できたことを誇りに思い、これからも学び続けることを誓います。 これからも、フライトの合間に得た知識や経験を活かし、ワインの楽しみ方や魅力をお客さまに伝えるサービスを提供していきたいと考えています。ワインの勉強を通じて得られる知識は、単なる資格取得にとどまらず、自分のキャリアや人生にとっても大きな財産となるでしょう。

挑戦は続く!

【Wine Flight編集部より】
フライトと学びの両立。そのリアルな日常と想いを語ってくださった宮崎まりさんの連載、いかがでしたか?
目標があっても「忙しいからできない」とつい諦めそうになる私たちに、「どうすればできるか」を前向きに考える姿勢を、宮崎さんの行動から学ぶことができました。
何より、ワインへの愛情とサービスへの情熱が、一つひとつの言葉にあふれていました。この連載を通して、学びへのモチベーションや仕事との向き合い方について、多くの気づきがあった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今後の宮崎さんのさらなるご活躍にも、ぜひご注目ください。

この記事を書いた人

日本航空株式会社 客室乗務員
WSET Level 4 Diploma
A.S.I. Diploma Gold
JSAソムリエ・エクセレンス
ドイツワイン上級ケナー
日本ワイン検定1級(日本ワインマスター)
Sake Diploma & International

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