外資系CAとして働きながらWSET Diploma合格|約3年間で実践した勉強法を公開

私がWSET Level4 Diploma in Wine を受験し始めたのは2023年3月で、すべての試験を終えたのは2025年10月です。その後、すべての合格が確認され、正式な合格通知を受け取ったのは2026年2月でした。

本記事では、Diploma受験を決意した経緯や現在の仕事をしながら約3年間にわたる学習の中でどのような工夫をして資格取得をしたかについて書いています。

決してスムーズに合格できたわけではありませんでしたが、航空業界をはじめ、不規則な勤務の中で受験される方にとって、少しでも参考になる部分があれば幸いです。

WSET Level 4 Diploma in Winesは、D1〜D6まで複数の科目(Unit)で構成される資格です。D1では栽培・醸造、D2ではワインビジネスについて学び、いずれもセオリー試験が実施されます。さらに、D3(世界のワイン)、D4(スパークリングワイン)、D5(酒精強化ワイン)では、セオリー試験とテイスティング試験が行われ、D6では研究論文(Research Assignment)の提出が求められます。
※WSET(Wine & Spirit Education Trust)は、1969年にイギリス・ロンドンで設立された世界最大級のワイン教育機関。ワインやスピリッツ、日本酒に関する資格認定を行っており、世界70カ国以上で講座が提供されています。
WSET | Wine & Spirit Education Trust

目次

受験を決意したきっかけ

まず初めに、私が受験を決めた理由は主に二つあります。

一つ目は、2021年にソムリエ資格を取得し、翌年2022年にWSET Level 3を修了した流れの中で、将来的にワインを仕事にできたらと考えるようになり、そのためにさらに上位資格を目指したいと思ったことです。

もう一つは、現在アカデミー・デュ・ヴァンで講師をされている紫貴あき先生の授業を受講したことでした。

Step-I(初心者向けのワイン基礎クラス)からソムリエ試験対策まで継続して授業を受講してきましたが、常に熱心に教えてくださり、何よりも非常に分かりやすい授業が印象的でした。先生の授業を通して、ワインを学ぶことそのものが楽しいと感じられるようになり、自然と勉強を続けたいと思うようになりました。

あき先生が出版される本を購入して勉強に活用しています

また、あき先生がDiplomaを取得されていることを知り、「自分もここまで学びを深めてみたい」と感じたことも、大きな後押しとなりました。

振り返ると、何かを学び始める際に、最初に教わる方の存在は非常に大きいと感じています。ここまで学びを続けるきっかけを与えてくださった先生には、今でも心から感謝しています。

【アカデミー・デュ・ヴァン】

資格取得に向けて

受験当初から現在まで、外資系アジア航空会社にて客室乗務員として勤務しており、月のフライト時間は90時間前後です。早朝3時に起きて出勤する日もあれば、夜23時から勤務が始まる日もあり、生活リズムは非常に不規則でした。また、月の半分以上は自宅を離れ、スーツケースで移動する生活を送っていました。

このような生活の中で、毎日決まった時間に勉強することは現実的ではないため、現在の仕事と資格取得を両立するため、自分なりに工夫を重ねながら学習を続けていました。

以下では、自分なりに実践してきた勉強方法をセオリーとテイスティングに分けてまとめています。

セオリー面で工夫したこと

勉強道具はできるだけシンプルに

週単位での勉強時間管理

フライトスケジュールによっては、比較的時間を確保できそうな週もあれば、長距離路線のフライトにより、1週間のうちにほとんど勉強時間を取れないこともありました。そのため、毎日一定時間を確保して学習することよりも、週単位でどれくらい学習時間を確保できるかを考えるようにしました。

毎月スケジュールが出た段階で各週のフライト予定を確認し、どのくらい勉強時間を確保できそうかめどを立てながら、Studyplusという学習時間記録アプリを活用していました。各週の目標勉強時間と、実際に勉強できた時間を記録することで、学習状況を可視化していました。

勉強時間が必ず成果につながるわけではないですが、毎日一定時間を確保できるわけではないからこそ、学習時間を可視化することで、モチベーションの維持にもつながっていたと感じています。

さらに時間の使い方という点では、体調や時差の影響で24時間近くうまく睡眠調整ができない日もありましたが、そのような日には、試験直前であっても、時には思い切って休み、回復後に集中して取り組むほうが学習効率を高められたと感じています。

また、社内の昇格試験とDiploma試験の時期が重なった際には、限られた時間の中で優先順位を考えながら学習を進める必要もありました。

移動の多い生活に合わせた勉強環境の工夫

月の半分以上は自宅を離れ、スーツケースで移動する生活だったため、荷物が増えることがストレスにならないよう、勉強道具もできるだけシンプルにまとめることを意識していました。

基本的なテキストや資料はiPad一つで管理し、勉強会やスクールでいただいた資料などもすべてデータ化してまとめていました。

Goodnotes | Notes Reimagined | Note-Taking Appというデジタルノートアプリを使用し、iPhoneとも連動させることで、移動時間などにもスマートフォンから手軽にテキストや資料を見返せる環境は非常に便利だったと感じています。

一方で、アウトプットについては紙に手書きでまとめることも多かったため、各科目ごとにルーズリーフをバインダーにまとめて持ち運んでいました。

このように、iPadとバインダーさえあれば、どこにいてもすぐに勉強に取りかかれる環境づくりを意識していました。

ルーズリーフは途中からうまくまとめきれなくなり、かなり増えてしまいましたが(笑)、できるだけ荷物をコンパクトに保つことも意識していました。

インプットとアウトプットの工夫

本試験はすべての科目を論述形式で回答する必要があるため、知識をインプットするだけでなく、それを自分の言葉で表現できるようにするアウトプットの練習が不可欠でした。

しかし、これまで日本語でも論述形式の試験を受けた経験がほとんどなかったため、特に最後まで残してしまったD3(世界のワイン)のセオリー試験では文章の構成から考える必要があり、最初は非常に苦労しました。

当初はアウトプットの方法が分からず、インプットに偏ってしまう時期もありましたが、試行錯誤を重ねる中で、同時期に受験を始めた友人とのオンライン勉強会が大きな支えとなりました。お互いのスケジュールを合わせながら時間を作り、各科目について継続的に学習を進めていきました。

Diploma受験を通じて出会ったCA・元CAの皆さんと。
情報交換や励まし合いが大きな支えになりました。

特にアウトプットが必要不可欠なD3(世界のワイン)では、このオンライン勉強会が非常に役立ちました。

勉強会では、テキストの内容をもとに毎回の学習テーマや重点的に学習する地域を決め、まずは7分間で重要なキーワードをアウトプットする練習を行っていました。

その後、過去の出題問題をもとに、どのように解答構成を組み立てるかをディスカッションしながら、書く練習を行いました。実際の試験では、限られた時間の中で解答構成を考え、そこから文章を書いていく必要があるため、短時間でキーワードをアウトプットし、そこから記述内容を組み立てていく練習は非常に役立ったと感じています。

一方で、テキストベースの学習だけではなく、さまざまな形でワインに触れながら理解を深められるよう努めました。具体的には、スクールが開講しているDiploma試験に特化した授業や、試験を好成績で合格された方による講義などにも積極的に参加し、得点に結びつくセオリーの書き方を勉強しました。

また、フライトや旅行でオーストリアを訪れた際には、現地のワインショップで店員の方と会話をしながらワインを選ぶ機会もあり、実際に現地で見聞きした内容がテキストの知識と結びつき、理解を深めるきっかけになったと感じています。

テイスティングで工夫したこと

Diploma受験生向けの勉強会に参加

限られた時間の中でのテイスティング対策

受験期間中は、外資系アジア航空会社にて客室乗務員として勤務しており、月のうちしっかりとテイスティング対策に時間を取れる日は10日しかありませんでした。そのため、ただ多くの本数を飲むのではなく、過去の出題アイテムをもとに、試験で必要となるワインに絞って効率的に練習することを意識していました。自分で購入できるワインについては実際に購入し、Coravinを活用しながら繰り返し試飲することで、特徴を整理していました。

また、実際に試飲ができない日には、過去5年分ほどの出題アイテムや勉強会で試飲したワインについて、SATに沿ったドライテイスティングを繰り返していました。単に特徴を書き出すだけでなく、「なぜその解答になるのか」を、品種・産地・栽培・醸造方法などから論理的に導き出す練習を行っていました。
※SAT(Systematic Approach to Tasting)とは、WSETが定める体系的なテイスティング手法のこと。外観・香り・味わいを論理的に分析し、品質や熟成度、品種・産地などを考察していくものです。

オンライン授業の活用

オンライン授業を中心に展開しているワインスクール「ヴィノテラス」の授業も積極的に活用しました。不規則な休みの中でも、自分の都合に合わせて自宅でテイスティングを学べる環境は本当にありがたかったです。

オンライン特化のワインスクール【ヴィノテラス ワインスクール】

ヴィノテラスでは、さまざまな地域やテーマに特化した授業が開講されており、自力では購入が難しい地域のワインや、試験対策として重点的に理解しておきたい産地やテーマについて学ぶ際に非常に役立ちました。

実践形式の勉強会への参加

D5酒精強化ワインの勉強会で試飲した
ポートワインとマデイラワイン

さらに、Diploma受験生向けの勉強会にも参加させていただきました。特に、テイスティングが必要な3つの科目、D3世界のワイン、D4スパークリングワイン、D5酒精強化ワインについては、試験直前にも参加していました。

Diplomaの試飲試験に特化し、実際の試験形式に近い形で練習できる機会は、日本ではまだ多くないため、非常にありがたかったです。

勉強会参加者全員の前で自分の回答を述べる形式はとても緊張しましたが、本番に近い緊張感の中で練習できたことは非常に貴重な経験でした。また、自分が周りの受験生に比べて勉強不足であることや、知識や経験ともに足りていない部分にも改めて気付くことができ、その後の勉強への大きな後押しにもなりました。

最後に

WSET Diploma合格のお祝いケーキ!
合同でお祝いをしていただきました。

この記事を書くきっかけをくださった方をはじめ、勉強会を開催してくださった方々、勉強を通して出会った同業の友人や先輩方、受験期間中に出産や子育てをしながらも一緒に学習を続けてくれた友人、そして日々ワイン業界でご活躍されている方々から、多くの情報やアドバイスをいただきながら勉強を続けることができました。

また、日々の忙しい生活と向き合いながらも努力を続けている方々の存在は、受験期間中の大きな刺激となりました。本当にありがとうございます。

日頃から応援してくれた家族や友人にも、この場を借りて改めて感謝を伝えたいと思います。

現在の環境や学習スタイルも人それぞれ異なる中で、WSET Diplomaの取得を目指す過程には、大変な時期もあるかと思います。それでも、自分に合った勉強法を試行錯誤しながら見つけ、諦めずに学び続けることが、大切なのではないでしょうか。

現在Diploma取得を目指されている方にとって、本記事が少しでも参考になれば幸いです。心より応援しております。

この記事を書いた人

国際線CA
WSET®Level3 Award in Wines
WSET® Level4 Diploma in Wines
日本ソムリエ協会認定ソムリエ

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